2018/06/02
こんにちは、名古屋のパーソナルトレーナー田島雅彦です。
今回も部分痩せに関する内容ですね。
腹筋とお腹の引き締め。お腹のたるみ、ウエストの引き締め。男女問わず気になるところですね。
・伝統的な腹筋運動では・・・
シットアップやクランチなど、体幹を屈曲させる、古典的ないわゆる腹筋運動を頑張ってやってもお腹がへこまないという方、結構多いのではないでしょうか。
どちらかというと痩せているのにそれでもお腹はポコっと出てしまっている人なんかもいますね。
この画像のように上背を丸め込むのがクランチ、トップ画像のように上体を全部起こすのがシットアップです
で、まず、以前の記事（→スクワットで脚が細くなる？ ～ トレーニングで部分痩せは可能か その１）でも書いたように、トレーニングをすればその部分の筋肉は太くなるので、腹筋運動をすればいわゆる腹筋が太くなりますが、それでお腹の脂肪が減ったりするわけではありません。
寝た状態から背中を丸めたり、上体を起こすような運動で使うのは主に腹直筋、斜めに起きたり体を捻ったりするのに使うのが腹斜筋。それらの筋肉は大きくなれば、腹筋が割れて見えたり（いわゆるシックスパックが出来る）、張りが出たりしますが、あくまで筋肉が膨らむので、それほどお腹はへこみません。レッグレイズで腹筋の下の方を～とかも全く関係ないわけではないですが、実はそれで下っ腹はあまり引っ込みません。
ダイエットをして体重を落としながら腹筋のトレーニングを行えば、それは当然いくらか細くはなるでしょう。
ただ腹筋群には、もう一つ、実際お腹をへこませるように働く筋肉があります。それが腹横筋です。子供がベコンとお腹をヘコましてあばらを浮かせて遊んだりしますが、まさにあれは腹横筋を使ってます。
・腹横筋と姿勢
腹横筋の主な機能は、腹圧（腹腔内圧）を高めたり、保持することです。お腹をぐっとへこめて圧力をかけることで、体幹を維持し、背骨を保護し、また姿勢を維持することなどに働きます。この働きは腹横筋だけでなく、横隔膜・骨盤底筋群・多裂筋と協働して行われています。また同じく横隔膜と一緒に呼吸の補助にも働いています。
でもこの機能が低下してしまっている人はすごく多いんです。で、そういう方はお腹がたるんでしまうだけでなく、腰痛やぎっくり腰になりやすかったり、姿勢が悪かったりします。（痩せているのにお腹が出てしまっている方なんかはやっぱり姿勢が悪いことが多いですね。ただ姿勢が悪いから腹横筋が働いていないのか、腹横筋が働かないから姿勢が悪いのかは、人によって違うので、腹横筋が働けばそれだけで姿勢が良くなるわけではありません。）
で、腹横筋を使えるようにしましょう、鍛えましょうということになるんですが。その方法で、よく聞くのがいわゆる「ドローイン」ですね。（やり方はググれば沢山出てくると思うので説明しません。）で、確かにドローインが出来ればいくらかお腹もへこむのですが、誰でもすぐにドローインが正確にできるかというと微妙です。そしてドローインがそこまで効果的であるかも微妙です。
横隔膜
そもそも、ダイエットしたり腹筋してもあまりお腹がへこまない、という事で困っている人は、腹横筋を働かせられなくなっているので、ドローインしてお腹をへこまそうとすとすぐ腹直筋に力が入ってしまう、お腹が硬くなる。腹横筋でお腹をへこませると、お腹はほとんど硬くならなりません。
また上にも書いたように腹横筋は横隔膜などと一緒に働きます。横隔膜は呼吸をするために働く筋肉なので、これらの働きが悪くなっている人は、大抵呼吸の仕方も悪くなっています。呼吸が浅くなってしまっていることが多いです。
・腹式呼吸で腹横筋の動きを取り戻す
まずドローインを、ということより、リラックスして腹直筋に力が入る癖を抜き、腹式呼吸（と胸式呼吸）をちゃんと出来るようにするという事の方が重要です。腹横筋の働きが悪い人は、腹式呼吸を行おうとしてもお腹があまり動きません。
（腹式呼吸のやり方について→「腹式呼吸 ～ 深い呼吸でリラックスを」）
腹式呼吸でしっかりお腹が動くようになれば、腹横筋・横隔膜などの作用は安定してきます。じゃあそれからドローインをという訳でもなく、そこまでできればわざわざドローインの練習に時間を割かなくても、しっかり腹横筋を働かせて効果的にお腹を引き締め、ウエストを細くできる方法があります。それは・・・・
という所で次回に続きます。
→「腹筋を鍛えるとお腹はへこむ？ ～ トレーニングで部分痩せは可能か その４」
※関連記事
「スクワットで脚が細くなる？ ～ トレーニングで部分痩せは可能か その１」
「スクワットで脚が細くなる？ ～ トレーニングで部分痩せは可能か その２」
「腹式呼吸 ～ 深い呼吸でリラックスを」
