2018/06/02
トレーニングの基本的な種目やフォームというのは、誰が対象であってもそう変わりません。スポーツ選手でも一般の社会人でも、高齢者でも若者でも、男性でも女性でも、大きな差はない。
トレーニングにおいて、その基本とは、スクワット・デッドリフトなどを代表とするストラクチュラル・エクササイズ(構造的エクササイズ)と呼ばれる種目群です。
で、それは必ずしもいわゆるBIG3だから重要である、という訳でもないですし、また負荷の大小なども関係ありません。
・ストラクチュラル・エクササイズとは何か?
ストラクチュラル・エクササイズとは、脊柱(背骨)に負荷がかかる種目です。
といわれても、よく分からない感じですが、さくっと説明すると
・地面に立って
・自分で自分の体を支え、姿勢を維持しながら(これが脊柱への負荷)
・複合的に関節を動かす多関節運動種目
であるといえるでしょう。スクワットやデッドなど下半身種目のバリエーションだけでなく、上半身種目でもベントオーバーローやミリタリープレスなどが当てはまります。(姿勢を維持するのに力を使っていても、うつ伏せになって少し体を浮かした状態で止まって耐えるやつとかは違います。プランクなどのいわゆる体幹トレーニングは、姿勢を維持するという、トレーニングを行う上での一部の要素を切り出したものにすぎません。ついでにバーベルを使っていても寝っ転がって行うベンチプレスは違います。)
・ストラクチュラル・エクササイズの利点
そして、なぜそういった要素が重要であるかというと、それらが
・複合的に関節を動かすことにより、一つの種目でも多くの筋群を動員できるのでバラバラにトレーニングするより効率が良い。(例えばスクワットで得られる効果をマシーンなどで代用して得ようと思うと、4種目ほど必要になります。)
・脊柱に負荷をかけることから、骨密度の増加などの効果が得られること。(トレーニングをすると力が強くなりますが、発揮する力が強くなった分の負荷を受け止めるのは筋肉だけではありません。)
・立ち上がる、座る、物を持ち上げる、など人間の基礎的な動作に共通したものであり、実際の生活やスポーツ動作にも結び付くものであること。(ただしそういった動作をより効率よく行えるようにするためのものなので、日常やスポーツの動作そのものではないです。)
であることなどが挙げられます。部分部分を鍛える・筋肉をつけるということではなく、総合的に全身を使い、より効率的に目的・目標を達成するため。さらに効果的かつ健康的なトレーニングを行うには、ストラクチュラル種目は必須となるのです。
で、そのストラクチュラル種目を行う上でのフォームというのは、誰が対象であってもおよそ共通になります。
スポーツ選手のためのスクワットとか、女性のためのスクワットとか、高齢者のためのスクワット、みたいなものはないんです。スクワットはスクワット。目的や体力レベルによって、かけるべき負荷には当然差が出るでしょうが、行うべきフォームというのは基本的に同じ。
フォームに違いや差ができるとすれば、それは骨格的な要因などでの微調整であるか、あるいは種目のバリエーションとしての変化(バックスクワットとフロントスクワットみたいな)でしょう。
じゃあどんな目的であれ、どんな人であれ、トレーニングを行う上では全く同じことをするのか、というと単純にそういうわけではありません。トレーニングの個別性というものはすごく大事です。
というわけで続きます。→トレーニングの基礎・基本と「個別性」 ~ ストラクチュラル・エクササイズ その2