2018/06/07
こんにちは、名古屋のパーソナルトレーナー田島雅彦です。
前回(→スクワットで脚が細くなる? ~ トレーニングで部分痩せは可能か その1)の続きです。
・前回のおさらい
脂肪はどこかを優先して落としたりすることは出来ません。
そしてトレーニングをした部分は基本的に筋肉が太くなりますので、特定の部位をトレーニングすることによって、そこだけが細くなることはありません。
でもトレーニングによって筋肉をつける部位は自分で調節できます。
なので、優先的に筋肉をつける部位と、あまりつけたくない部位のバランスを考えてトレーニングを行うことによって、脚を細く見せたり、プロポーション・スタイルを改善できる可能性があるわけです。
ということでスクワットを中心に、下半身痩せについて少し具体的に考えてみましょう。
・下半身の気になるポイント
女性が気にする部分は
・足(脚)の太さ
・お尻が垂れる
・腿がパンパンになる
ということなどが多いですね。
実はこの3点、ちゃんと良いフォームでスクワットが出来れば解決できます。
・キーはお尻の筋肉
スクワットで主に使う筋肉は、太腿の大腿四頭筋とお尻の大殿筋です。腿とお尻。
もう一度確認しますが、主にこの2つの筋肉が太くなります。
ただ、一般に、特に意識してお尻を使うようなトレーニングや運動などを行っていない人は、お尻の力はあまり使えなくなってしまっています。
人間は前を向いていますので、見える部分は意識しやすいのですが、見えない部分はどうしても意識しづらく、意識しない部分は使えなく、弱くなっていく。
また体の構造上、お尻には脂肪が沢山ついている部位なので、たるみやすい。20代半ばくらいになればもうお尻が垂れるのを気にし始める女性は多いですね。
なので、そこはしっかり筋肉をつけて、引き締めたいところでしょう。ヒップアップですね。
太腿は体の前面にありますし、どうやっても体を動かせば必ず使うので、優位になりやすい。なので何も考えないでスクワットすると結局腿ばかり使います。
お尻はたるみやすい一方、太腿は太くなりやすい。
・お尻を使う股関節スクワットを
というわけで、太腿とお尻の両方を使うんですが、スクワットでは、ある程度お尻を使える状態にしてから、お尻をしっかり働かせるフォームのスクワットをしないと、太腿の筋肉ばかり使う形になってしまいます。
で、このブログではすでに何度も登場していますが、そのお尻をしっかり使うスクワットというのは下の写真のような股関節スクワットです。
膝から曲がる、膝が大きく前後に動くようなスクワットや、膝の角度が90度くらいまでの浅くしかしゃがまないスクワット(ハーフスクワット)では、お尻の筋肉はあまり使われないので、いくらお尻を意識したところで、やっぱり太腿ばかり使われてしまうんです。
「腿は太くしたくないんだから、別にスクワットしないでも、お尻だけ鍛えるトレーニングすればいいんじゃないの?」と思われる方もいると思います。でも日常生活の中で体を動かす中でも、太腿とお尻って基本的に一緒に働いているものなんですね。
ちゃんとお尻を使ったスクワットを行うことで、普段の生活の中でも、お尻が働く割合を高め、太腿への負担を減らし、結果として、ふとももがすぐパンパンになったり、余計に太くなってしまうのを防ぐことができるんです。
今まで使われていなかった部分は、ちゃんと使うようになれば筋肉は付きやすい。なので股関節スクワットが出来るようになれば、お尻の筋肉は大きくなっても、ずっと使われていた太腿にとっては負荷が分散されるので、それほど簡単に太くはならないでしょう。
・ダイエットとスクワットで効果的に引き締め
ただ前回も書いたように、体を細くするためには、体重は最低でも維持するか、基本的には落としたいところです。ちゃんとダイエットの中でトレーニングとして適切なフォームのスクワットを行うと、ただ何となく細くなるだけでなく、より脚は引き締まって、ヒップアップも出来る、という所でしょうか。
これも繰り返しですが、体重を減らしながら大幅に筋肉が太くなるなんて言うことは、まずあり得ませんが、それでもふとももばっかり使うようなトレーニングだと、体重を落としても、やっぱり太腿がパンパンになってしまったり、あんまり細く見えない、という事もありえるわけです。
ダイエットのためのトレーニングで、レッグエクステンションとか、太腿(大腿四頭筋)だけ使う種目や、太腿を強く使うことを強調した種目をやる意味はまずないでしょう。(ダイエット以外でもなんですが。)
体重が大幅に減れば、どんないい加減なトレーニングをしても細くはなるんですが、より良いプロポーションの体を作りたいなら、太腿はスクワットなど複合的に筋肉を使う種目で鍛えるだけで十分ですね。
またスクワットだけでなく、ステップアップやランジ(特にリバースランジ)など他の種目も、しっかり複合的に脚全体を使いつつ、強くお尻を働かせるにはいい種目になります。
グルトブリッジ(→グルトブリッジ ~ お尻の締め方を覚えよう その1)やヒップスラストなど、お尻だけを鍛える種目も悪くはないです。
あとスクワットは下半身だけでなく、ちゃんと上半身の姿勢も維持して行うことで「腹周り」も引き締めることが出来ます。他にも女性が気にする「内もも」なんかも、ちゃんとスクワットが出来れば十分引き締まります。
・まとめ ~ 部分痩せだけじゃなくて全身のバランスが大事
結論として、スクワットだけで脚が細くなるということはありませんが、ダイエットの一環のトレーニングプログラムとして、適切なフォームでスクワットを行うことで、より脚を細く・美しく・引き締まって見せるという事は可能です。
ただ実際にトレーニングとしてやることは当然スクワットだけではないですし、下半身に関しても他のトレーニングも行いますので、「特定の種目で特定の部位の部分痩せ!」ということではなく、今回説明したように筋肉のバランスと、あとは全体の姿勢を考えたトレーニングプログラムを行うことが、本当にキレイなスタイル、引き締まった体を作るうえで重要になりますね。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
(今回ハムストリングについて触れられなかったので、また後日書こうと思います。)
→腹筋を鍛えるとお腹はへこむ? ~ トレーニングで部分痩せは可能か その4
※関連記事
・スクワットを行う時などに問題となるニーインについて
→「女性と内股 ~ 膝の痛みからお尻と脚の引き締めまで その1」