こんにちは、名古屋のパーソナルトレーナー田島雅彦です。
よく聞きますね、○○を細くするには××トレーニングみたいな。でも本当に特定のトレーニングをすればその部分が細くなるのでしょうか。
まずスクワットに限らず、トレーニング全体から考えてみたいと思います。
トレーニング=レジスタンス・トレーニング(ウェイトや自重など含め、筋肉に負荷をかけるトレーニング)です。
・トレーニングをすることによってその部分は細くなるか
まず大前提として、トレーニングをしたから、それだけでその部分が細くなるという事はありません。トレーニングをして得られる効果は、その部分の筋肉を太くすることです。(そう簡単にやたら太くもなりませんが。)
トレーニングをすることによって筋肉が減って細くなってしまったらなにかと困るし、またトレーニングをした部位の脂肪が優先して落ちるという事もありません。
ただ細くなればいいなら、トレーニングは必要ないですね。栄養制限と有酸素運動、あるいはそのどちらかだけでもやって、体重を落とせば、体は細くなります。
・細ければ引き締まっている?
大原則として体重の調節にはカロリーコントロールが必要になりますが、おおまかに、
消費カロリー>摂取カロリー
になれば、どんな方法でも体重は減ります。
ただ、その体重を落として細くなった体が、引き締まっているかどうかは別です。トレーニングせずに体重を落とすと、体脂肪だけでなく筋肉も大幅に落ちます。
細くてもだらしない体になる可能性があるということです。そしてそれは有酸素運動をして落としてもです。
(よっぽど運動不足で元々全く運動していない人であれば、多少筋肉もつく可能性はあります。)
トレーニングをすることによって基本的に筋肉は太くなるんですが、太くなった筋肉によって、たるんだ脂肪が引き延ばされると、形が整えられ、引き締まって見えるわけです。で、上に乗った脂肪量自体も減れば、細くなる。
ただ筋肉付いた分体重が増えてしまえば、それはその分太くなってしまいますね。
・引き締めるにはやっぱり筋肉が重要
というわけで、ダイエットして、体を細く引き締めたければトレーニングが必要になるんですが、ちょっと整理してパターンを考えてみましょう。
まず基本的に抑えるべき要素は、
・体重
・体脂肪率(体脂肪の量)
・筋肉量
です。とりあえずトレーニング以外にもカロリーコントロールはして、体重は維持か、減ることが前提です。
1・トレーニングせずに、体重を落とす
上記のとおりです。細くはなるでしょう。多くの場合体脂肪・筋量ともに落ちます。その分体は小さく細くなる。
ただ注意しなければいけないのは、食事の内容が悪いと脂肪以上に筋肉ばかり落ちて、体重は落ちても体脂肪率はほとんど下がらない、という可能性もあります。そうなるともうダルダルの体になりますね。
2・トレーニングをして、体重はそのまま、体脂肪率を下げる
この場合は、やり方次第で体は細くなる可能性があります。トレーニングによって筋量が増えて、体脂肪が減る。
同じ重さなら、筋肉より体脂肪の方が体積が大きいからです。体重が変わらなくても、脂肪が筋肉に置き換われば、体積は減ります。
ただ、付けた筋肉の分布にもよるので、特定の部位に偏ったトレーニングをすると、むしろそこだけ太くなるという可能性もあります。
3・トレーニングをして、体重を落として体脂肪率も下げる
この場合なら、まずほとんどのケースで、体は細くなって、引き締まるでしょう。
基本的には体重を落としながら筋量を増やす、筋肉をつけるという事は難しいので、実際の全体としての筋肉量は維持か微減程度になります。体の筋肉の割合は増えます。(トレーニングしたことのないという方や、経験の浅い方なら、ある程度筋肉も増やすことが可能です。)
ただしこの場合もやっぱり、トレーニングによって鍛えた筋肉の部位的な分布というのが重要になります。筋肉量が維持された部位、減った部位、増えた部位。トレーニングの仕方によって差が出るでしょう。
※4・トレーニングをしても、体重はそのまま体脂肪率も下がらない・トレーニングをして体重が落ちても体脂肪率が下がらない
まあないと思いますが、もしこんなことになるようなら、そのトレーニングは全くトレーニングになっていませんのでやり方が間違っているという事です。
・筋肉量の分布とバランスは変えられる
脂肪(皮下脂肪)は、特定の部位だけ減らすとか、ある部位だけ優先して増やす、という操作はできません。(一部そういうことを主張する美容施術などありますが、科学的な裏付けは一切ありません。実際できるとしたら直接脂肪を取り除く脂肪吸引手術くらいでしょう。)
遺伝的要因や性別によって、脂肪のつきやすい場所や落ちにくい場所というのはあります。でもやっぱりそれらをコントロールすることは出来ません。
でも筋肉はトレーニングした部分が太くなります。筋肉をつけたい部位をコントロールすることができるんです。
鍛えた部分は筋量が増える。使わない部分は、衰える、筋量も減ります。
ここに特定のパートをより細く見せる、部分痩せの可能性があるといえるでしょう。
(ただ、細くしたい部分は使わなければいいという事ではないですよ。)
ではスクワットを例に具体的なことを考えてみましょう、というところで次回に続きます。
→「スクワットで脚が細くなる? ~ トレーニングで部分痩せは可能か その2」
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