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トレーニングベルトは安全にトレーニングを行うために必要?




こんにちは、名古屋市瑞穂区のS&Cコーチ、パーソナルトレーナーの田島雅彦です。

 

今回はトレーニングベルトについてのお話。

 

トレーニングベルト、ウェイトベルト、リフティングベルト、パワーベルト、呼ばれ方は色々ですが、トレーニング用のベルト、一般には腰に不安を感じているのでつけている人、怪我をしたくないから付けている、という人が多いですね。トレーナーにも「安全にトレーニングを行うために着けるようにしましょう」なんて言う人間もいたりします。
ベルトは本当に安全のために必要なのか、怪我や痛みを予防しているのか、何のために付けるのか。
 
 
 
ということでいきなりですが、ベルトは別に安全のために必要・必須なものではありません。

 

フォームさえしっかりしていれば、ベルトがなくても怪我をせず安全にトレーニングを行うことは出来ます。高重量でもです。
 


・ベルトの効果は?
では、ベルトにはどんな効果があるのか。
ベルトをつけない状態より、より重たい重量でトレーニングが出来るようになる。あるいは同じ重量なら回数をより沢山行うことが出来る。それがベルトの最も大きな効果です。つまりトレーニング中のパフォーマンスを高めるのが目的という事になります。
より重たい重量を扱ったり、より回数をこなすことによって、効率的に筋力・筋量を高めることが出来る可能性があります。
 
 
ベルトの使い方としては、腹部にきつく巻き付けた状態で、腹を押し出すようにしてグッと胴回りを固めます。その作用として、腹圧を強くかけることができ、体幹の剛性を高めます。体幹の剛性が高まると脊柱が安定し、トレーニングの主働筋としての四肢の力をより強く発揮することが出来ます。

その結果として、より重い重量を扱うことが出来る。
 



・怪我の予防は?
体幹の剛性が高まれば、それは腰(腰椎・椎間板など)への負担を軽減したり、動作中に腰が曲がってしまうことを防げるのではないか、というのは間違いではないように思われます。一応腰への負担感や脊髄への圧力を減らすという研究結果も実際あります。
 

しかし、それでもベルトやコルセットの類が怪我・傷害を予防する、減らす、とはっきり言えるようなデータはないんですね。



まあ大体スクワットやデッドリフトその他の種目で、トレーニング中にはっきり腰をやる時というのは、メイン重量ではなくダウンセットなどで集中力が切れて気の抜けたときや、あるいは過剰に追い込んだせいで完全にフォームが崩れてしまったようなときでしょう。
ベルトは腹圧をサポートするためのものなので、腹圧が抜けてしまっていては意味がないし、完全にフォームや体のバランスが崩れていれば、ベルトがついていようがいまいが大して関係ないでしょう。ベルトをつけていれば、それだけで体幹の剛性が高まったり腰の負担を軽減できる、ということはなく、着けた上で適切に腹圧・体幹を維持しようと努力することで効果を発揮します。
 

使いようによってはちゃんと怪我の予防になっているかもしれないし、なっていないかもしれない。


・腰に負担のかかる根本的な原因を考える
そしてまた、腰痛など腰に問題があって、トレーニング中に常にベルトをつけている人、ベルトを着けていないと不安だ、という人は、大抵普段から常に腰の負担のかかる姿勢・動き方、トレーニングフォームをしているので、ベルトをしていても結局腰が痛いまま、あるいは頻繁に腰を痛めるという事が多いですね。




本当に腰への負担を減らして、痛みや怪我を予防したいなら、ベルトに頼ってしまうより、まず腰に負担のかかる体の状態やトレーニングフォームを改善したほうがよいでしょう。
(たまに見るんですが、スクワットなどで、クライアントが明らかに前のめりになって腰に負担のかかるフォームになっているのに、さらに重量を加えながら、「安全のためにベルトをつけましょう」とか「危ないからベルトを」なんて言うのはまともなトレーナーの仕事じゃないですよ。ほんとに。)
 
 
本当に安全に、効果的なトレーニングを行うためには、なにしろベルトなんかなくても問題なくトレーニングを行えるフォームを作る、というのがまず基本です。(そしてそのフォームは高重量でも、追い込んだりしてギリギリの状態でも絶対に崩しません。)
 
 

そして元々腰痛など腰に問題を抱えていた人、感じていた人も、よいフォームを身に付けるためには、フォーム習得過程で腰に負担のかかるような動きになってしまう原因を解決していく必要がありますので、適切なトレーニングフォームが出来上がれば、結果として、腰の問題も改善できます。
 
 



ベルトは使う理由と目的がはっきりしてれば使えばいいんですが、必須などではありません。
腰の問題・フォームの問題、いずれも正しいトレーニングで解決できます。



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