ここまで、トレーニングの基本として、スクワットやデッドリフトといったストラクチュラル・エクササイズがあり、それらの適切なフォームを身に付けるには、身体の状態や体力レベルに応じて段階的に習得する必要がある、という事を説明してきました。
・フォーム習得は難しいか
で、そんなトレーニングフォームを身に付けるのは難しいのか、というところですが別に難しくはないです。（体に多くの問題を抱えている方などであれば、時間がかかることもあるでしょうが、その場合も難しいのはどちらかというとトレーナー側の仕事でしょう。）
手本を見せていくつか指示を出しただけで誰でもすぐできる、という訳ではないけれど、前回の記事に書いたように、課題となる点を解決し、必要な要素を満たしていけば、誰でも必ず出来るようになります。
対人競技のように人の動きに合わせて動かなければいけない訳ではないし、複雑な動きやアクロバティックな動きをしなければいけない訳でもない、素早く動くスピードも必要ない、動的に変化する状況の中での判断もいらない。
スポーツ技術やダンス・楽器演奏・芸術的技巧なんかよりずっと簡単。自分の体を安定した状況で動かせばいいだけ。動きも単純。そして安全です。
・必要なのは集中すること
ただ、適切なフォームを身に付けるため、またトレーニングをして成果を得るためには、集中することが必要になります。単純だから適当にやってもできる、という訳ではないですね。
集中しなければ上達しないのは、何をしても同じでしょう。適当にやっても、上達しないし、やってることに見合った効果も得られない。ただ、トレーニングの場合は、動きが安定している分・単純な分、集中しなければいけない点は限られています。
またフォームっていうと形式的な型を思い浮かべるかもしれませんが、表面的に形が出来ればいいという事とも違いますね。大事なのは自分の感覚を掴むこと、自分の感覚で動けるようにすること。
（最近フィットネス業界でもマインドフルネスって流行ってますよね。瞑想のようなものをイメージされるかもしれないですが、呼吸法をやるとか瞑想するだけってものでもないんです。今の自分、今やっていることに集中する。今やっている動作、感覚に集中する。そういうことが大事なんです。そういうことがトレーニング中にも当てはまる。）
他人から・外からどう見えているか、どう見られているか、ではなく自分自身の感覚。トレーニングにおいては、動きの中で良くない点が表面に出てきているのなら、トレーナーが指摘します。そうやって、自分の感覚と、客観的な動きを照らし合わせていく。
そうやって、適切なフォームを、自分で行えるようにしていきます。
・集中力は高められる
そしてまた一方、自分の感覚を高め、自分の身体に集中するにも、いくらかステップが必要になります。
で、そのために僕のトレーニングでは実際呼吸法なども大事にするし、リラックスすること、余計な力を抜いて脱力することも大事にします。時には目の動かし方が重要になることもあります。
それらは、静的な状態で自分の感覚に集中することから、動的な状態での集中の仕方を身に付けていくプロセスの中のステップにもなります。
・易しく、そして効果的に出来るようにするのがトレーナーの役割
結論として、基本としてのストラクチュラル・エクササイズ、適切なトレーニングフォームの習得は、難しくはないけど、適当にできるほど簡単だとも言えません。
やることが単純なので、多くの人には「トレーニングなんかちゃんと教わらなくても自分でも十分できる」、と思われがちですが、自己流でやっても、基本的な部分ができていなければ、トレーニングをすることによって得たい・欲しい結果だけでなく、望ましくない結果もついてきてしまいます。場合によっては望んだ効果が全く得られないという事すらあるでしょう。
繰り返すようですが、本当に必要な要素を満たした上で、適切なフォームでトレーニングを行って得られる効果は、表面的にそれらしい形を真似ただけのものとは、全く違います。
やはり、本当に必要な要素を押さえて、適切なトレーニングフォームを身に付けるためには、そしてトレーニングによってよりよい効果・結果を得るためには、トレーナーの力は非常に重要です。（表面的な形を指導することしかできないトレーナーも多数いますが。）
見てくれの問題だけでない感覚や、自分の課題となっている要素を、ネットや書籍の文章や動画だけで掴むという事は難しいでしょう。またサプリにいくらお金をかけても、トレーニングフォームは改善されません。
よりよいトレーニングを、体の動かし方を身に付け、よりよい効果を得たい、という方は是非ご相談ください。
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