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スクワット・デッドリフトで腰が痛いのは腰が弱いから? その2 ~ 肩甲骨と背中の寄せ

こんにちは、名古屋市瑞穂区のパーソナルトレーナー、田島雅彦です。

 

前回(→スクワットで腰が痛いのは腰が弱いから? その1)に続いて腰に負担をかけるフォームになってしまう理由を見ていきます。

今回は主に上半身の問題です。

やっぱりスクワットだけでなくデッドリフトにも共通する部分が多いです。

 

 

4・腸腰筋が硬い


 

腸腰筋が硬いと、腸腰筋と拮抗的に働いているお尻(とハムストリング)の働きも弱くなって、骨盤が前傾し過ぎて、過剰に腰を反ってしまう形になることがあります。このタイプの人は大体普段から反り腰です。
腰椎は生理的湾曲といって元々反っているので、ある程度反っている状態を維持するのがベストなのですが、あんまり反りすぎても負担になってしまいます。




 

ついでにそういうタイプの人は骨盤の前傾を維持しても、お尻に体重を乗せることが出来ないので、しゃがむとき膝から動いて、膝が大きく前に出ます。なので腿の筋肉ばかり使って、膝にも負担がかかってしまいます。

 

 
 

5・肩甲骨周りが硬い


 

実際は肩甲骨だけの問題ではなく、胸郭全体(肋骨から上)の問題になるのですが、まず肩甲骨周りが硬いと、背中を寄せて胸を張った姿勢(肩甲骨の内転下制)を作って、チェストアップ(単純に胸を張るというより、胸骨をクイっと突き出すように持ち上げる感じです)してバーを担ぐことができません。猫背だったり、巻き肩・前肩気味の人はそうなってしまいますね。

この姿勢が出来ないと、最初から上背が丸まった形になってしまいます。肩甲骨が後ろに寄せられず肩が上がって、胸が潰れてしまう。腰がアーチを保っていても胸が潰れていれば、脊椎全体のテンションが下がって、結局動作中に腰も丸まってしまいやすくなります。
 

最初から胸が潰れているので、ボトムの切り返しやスティッキングポイントで苦しいときに、さらに前のめりになり、腰も丸まって、という形になることが多いです。

 

肩甲骨含めた胸郭全体
 

上半身の柔軟性・可動域の不足により、適切な位置でバーを担げないという事が怪我のリスクにもつながるのです。

 

これは単一のどこかをなんとかすればいいという問題ではなく、広背筋・大胸筋・前鋸筋など肩回りから肋間筋・腹筋群など胴回りまで本当に上半身の柔軟性全体を改善する必要があります。

 

 

・バーを担ぐ位置は

バーベルの担ぎ方は、ハイバー・ローバー、目的によって変えることもあるし、いずれでも人によってやりやすい位置には多少違いがあるのですが、バーを担ぐと20kgでも痛いという人もいれば、200kg以上パッドその他なしで担いでも全然平気な人もいます。
 

で、ハイバー、つまり首に近い位置でバーを担ぐと痛いという人は、大抵、肩甲骨周りの柔軟性が不足しています。胸が丸まって、頭は前に出て、胸椎と頸椎のカーブが大きくなったところに、上から斜めに横断するような力がかかるので痛いのではないかと思われます。でもこれは、適切な柔軟性を身に付ければ解決できる可能性が高いです。(本当に骨格的に無理な場合というのもあるかもしれません。)

 

パッドを使うと、重くなれば重くなるほど担ぎが不安定になるし、ローバーは本来ハイバーより高い肩甲骨周りの柔軟性が必要になるフォームなので、ハイバーだと痛いからローバーでというのは実は無理の多いやり方です。

ローバーだとバーを支えるのに大きな力を使うことになるので、結局肩に大きな負担になってしまうというパターンも多いのです。
 

というわけで、上半身の柔軟性も、腰や膝に負担をかけず、安定して安全に、健康的なフォームでスクワットを行うには非常に重要な要素になります。



あと一般的に腰の痛みとか保護っていったら腹圧の問題じゃないの、そのへんどうなの、というところで次回に続きます。


→「スクワットで腰が痛いのは腰が弱いから? その3」






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